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2018-12-26 16:43 | カテゴリ:舞台
22、23日の連休に東京に行ってきました。
東京在住の同級生が、長年舞台鑑賞を趣味としている演劇通で、
舞台『道』を一緒に観たいと言ってくれました。
これまでSMAPや剛君には特に興味がなく、剛君の舞台も初見なので、
彼女がどんな感想を持ってくれるのかドキドキするような気持ちでした。

私は夜の公演を観終わったらすぐに東京から関西方面の新幹線に乗ったので、
彼女の感想をゆっくり聞く時間がなく、
後日メールで感想を送ってもらいました。
そのメールを紹介させていただきます。

「素人が感想など、おこがましい。
 貴重なチケットを譲っていただき、ただそれだけで感謝感謝!!なのですが。

 まず、剛くんは本当に素晴らしい役者さんです!!!
 
 日本を代表するトップスター、トップアイドルだった人が、
 私の知る限りのどの剛くんとも違って、
 映画で見た粗暴で無教養で野卑なザンパノを彷彿とさせる、
 剛くん色を消しての好演❓怪演だったと思います。
 セロリを歌っていた優しいナイーブな剛くんの出す
 野太い声にまずびっくりして、
 その役の上でも必要な鍛えられた筋肉!!
 背中の傷は作り物かどうかわからなかったけど、
 旅芸人で苦労してきた過去を表しているのか、
 喧嘩っ早い性格を表しているのか、
 剛くんの背中がザンパノの悲しみを物語っているように思えました。
 ジェルソミーナが死んだことを知った後の泣きっぷりには、
 牢屋から出てきた時に彼女を抱きしめていた不器用な優しさが、
 ずっと彼の根底にあったんだと思い知らされて、
 心がとても苦しくなりました(T_T)

 ただ、私は剛くんのファンとして芝居を観たのではなく、
 単純に高尚な文学作品、映画の舞台化を観たつもりでいたので、
 役者としての剛くんの上手さ素晴らしさにびっくり!!!
 そして大いに感動したのですが、、、
 ファンの方々はあの汚れ役とも言える役を剛くんにさせるのは
 とても辛いのでは❓って本当に心配になりました。
 その上で、よく頑張った(T_T)って拍手喝采!!!だったのかな。

 舞台セットも面白かったし、サーカスの雰囲気が映画より盛り上がり、
 臨場感を作っていたと思います。

 あの日生劇場は私が小学生の時、
 初めて東京に住む叔母に連れて行ってもらい、
 劇団四季の「裸の王様」を観たところで、とても印象深い場所で...。
それからいろいろな舞台をあそこで観ましたが、
 スペインのガウディの建物を思わせる不思議な空間が、
 未知の世界へ私を誘ってくれる、
 私の期待を一度として裏切らない演目だけを上演する老舗の名門の舞台で、
 剛くんが座長を務めた実績は、
 今後の彼の大きな財産になると思いました。」

なんと嬉しい感想でしょうか!!!
剛くんの凄さを、新たに率直に認めてもらえた喜びはこの上ないものがあります。
友人の感想に私も全く同感でした。上記以外の私自身の感想も書き足してみます。

確かに剛君のこれまでのイメージにはない「汚れ役」であり、
剛君自身も最初はザンパノを演じることに抵抗があったと言っていました。
でも、最近の「お気楽大好き」や「Junon」のインタビューを読むと、
そんな負の役をきっちり演じきることで観る人に自分の幸せを感じてほしいと
役者として一回りもふた回りも大きくなったような発言をしていています。

戸田恵子さんもブログに書いておられますが「逞しくなったね!」剛君・・・。
劇団四季や宝塚のトップスターさんなど実力者揃いの出演者の中で、
時に堂々と大きく、時に軽やかにおどけて、時に荒々しく、時に艶めかしく、
場面ごとに丁寧に演じ分けていく様は、まさに優れた物語の語り部。
「草彅さんは物語を語るのが非常に上手く、作品を知的に理解されています。
 ザンパノに限らず、作品の全体像がしっかり見えていて、
 良い演出家になれると思うくらい。」
というルヴォー氏の言葉が心に浮かぶくらい
剛君の演技は練られ構築されていました。

ザンパノの独白部分での感情の吐露は激しく痛々しく哀しく無様でもある。
自らの浅はかさでかけがえのない大切なものを切り捨て失ってしまった後悔と絶望。
最後のザンパノの慟哭する顔が心に焼き付いて離れません。
まさにクリスマスにぴったりの作品。人間の罪と祈りに心が震えました。

ルヴォー氏はこの救いのないストーリーを、
サーカスの団員たちをコロスのように用い、
劇的に幻想的に時にユーモラスに再構築して観客に魅せてくれた。
生演奏での音楽劇。自然の中にある雑多な効果音が絶妙に絡み合い物語を劇的に描く。
人生はサーカスのように明るく楽しく騒々しい。
と同時に残酷で非情な死と背中合わせ。

そんな世界でイル・マットの「全てのものに意味がある」という言葉と歌が、
トランペットのメロディーが儚く美しく心にしみる。

旅から旅へ過酷な日々。旅芸人の子どもとして育ったザンパノとイル・マットは
早くして母の愛を失ったのではないか。
母の愛を十分受けず大人になりきれなかった2人。
ジェルソミーナをかまい、
取り合うふたりはどこかしら母を奪い合う兄弟のようにも見えた。
ジェルソミーナは抜けてはいるが愛嬌があって温かい女の子。
ジェルソミーナとザンパノが喜劇に興じる姿も、
二人が自然に抱き合う姿も心から離れません。

人は育った環境によっていびつにになってしまうことも多いけれど、
やはり温かく優しいものを求めて生きている。そしてやっと手に入れたと思ったら
あっという間に手の中から滑り落ちて消えてしまうこともある。

私が劇場に赴いた日、パンフレットが売り切れて予約郵送だったので、
まだパンフレットを読んではいません。
ですから的外れのことを書いていたらすみません。

剛君、難しい役に挑んで怯むことなく
立ち向かっている姿は神々しく輝き頼もしかったです。
蒔田さん、コミカルな動きが可愛くて癒されました。
海宝さん、何をやってもふざけてしまう道化の屈折した心理表現が見事でした。
美しい歌声いつまでも心に残っています。
サーカス団員さんたちのメリハリのある動きと表現力に魅了されました。

友人が愛しているという日生劇場の魔法に私もかかることができて感謝です。
昨日、『道』の映像化の予定はないというツイートが公式サイトから流れました。
観られなかった方のことを思うと、本当に切ない気持ちになります。
音楽が素晴らしいので、CDだけでも作っていただけないものでしょうか・・・。
ただ、草彅剛はこの舞台のおかげでさらに大きく飛躍したことは間違いないようです。
この経験を糧に今後ますます魅力的な剛君が観られることは間違いありません。
『JUNON』『お気楽大好き』、
会報の剛君の充実ぶりだけでもそれは間違いありません。

あと三日で千秋楽ですね。
公演が最後まで無事に行われるよう心からお祈りしています。
『道』カンパニーの皆様、本当お疲れ様でした。
感動をありがとうござました.゚+.(・∀・)゚+.。


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