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2013-05-26 12:56 | カテゴリ:映画
中学生円山 (2013)

【監督】宮藤官九郎
【出演】草なぎ剛 / 平岡拓真 / 遠藤賢司 / 坂井真紀 / 仲村トオル / ヤン・イクチュン / 鍋本凪々美 / 刈谷友衣子 / YOU / 原史奈 / 家納ジュンコ / 三宅弘城 / 皆川猿時 / 宍戸美和公 / 池田成志 / 少路勇介 / 野波麻帆 / 田口トモロヲ / 岩松了


★★★★☆ [90点]「中学生男子のために映画を作ったっていいじゃない」

この映画は万人受けする作品ではないと思う。なぜならこの作品は宮藤監督が、中学生男子諸君をピンポイントにした、中学生男子に対するあふれる愛に突き動かされて作った渾身の映画だと思うから。

宮藤監督自身、妄想ばかりにとりつかれ、あの映画のようなくだらない自主トレに精をだし、女の子にはもてないパッとしない中学生活だったと告白している。だからこの映画は、そんなパッとしなかった中学生だった自分自身を励まし、完結させるために作った自分のための映画だと。

自分のために作った映画で、今、同じように妄想に苦しむパッとしない中学生男子が少しでも元気になってもらえたら嬉しい。そして自分のように中学生時代を完結していない大人の男子たちにもノスタルジーを感じてほしいし、元気になってもらいたい。そういう映画だと監督自身が語っている。女の人には、「男ってバカ」ってあらためて思って、そして愛おしんでほしいと願ったのではないかな、監督。

「僕、変態なんですか?」普通の純朴な中学生円山君は自己嫌悪に苦しむ。誰かに相談したくても
両親は平凡すぎて、的外れで、話し相手の対象にならない。妹はいうまでもない。

そんな時、中学生はひたすら妄想の世界に逃避し
なんとか自己嫌悪から逃れようとするが、やはり1人で解決するのは難しい。

そんな時見つけた謎の男下井。自分の自主トレのことも見抜かれていると勝手に自意識過剰になって、どんどん下井にのめり込んでいく円山君。
最後にはあの不思議な変なおじさんなら自分の悩みを打ち明けられるかも、と乗り込んで行く始末。やっぱり、そういう悩みを自然に聞いてくれる大人が、中学時代には必要なんだろうなってあらためて思った。

最近の住宅環境や人間関係はどんどん希薄になる一方で、下井のような変になれなれしい不思議な人に日常生活で出会うこともほとんどなくなった。今時の中学生は仕方がないから、部屋にこもってネットにはしり、もっとゆがんだイカれた世界に引きずり込まれていく。だから、今時の中学生がこの映画にどれだけ共感できるかは不明。感動できる子はまだ、大丈夫な中学生だって思っちゃう。

下井は実は悲惨な過去を持ち、円山君が妄想したとおりの男だったのだが、そんな下井が、純朴な円山君と交流している内に、正気と本気をよみがえらせ、シャウトする場面は圧巻だ。

男の子はバカみたいだけど、本当はヒーローに憧れている。「正しく生きるために、ヒーローになりたい!!」そんな純粋さをもっているのが、本来の男の子だし、監督の描きたかった理想であると感じられて、ぐっとくるものがある。

愛にあふれた大好きな映画だけれど、現実と妄想が入り乱れすぎて、1回観ただけではすんなり頭に入ってこないという難点が残念。2回観ると、すっきりわかって、その時の感動は後を引きます。


Posted by yume*asuka on 2013/05/26 with ぴあ映画生活

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