| ホーム |
2022-09-07 15:03 |
カテゴリ:未分類
『拾われた男』の最終回を
もう5回くらい見ました。
何度見ても味わい深い作品は尊いですね。
この作品は主人公が、
ご縁と運で俳優としてメジャーになっていく
サクセスストーリーとして楽しめる作品ですが、
やはり実話を丁寧に掘り起こして行ったところが
面白い作品になった要因だと思いました。
「事実は小説より奇なり」とはよく言ったもので、
私たちの現実生活の中には
ちょっとしたドラマがたくさんありますね。
そんな現実を丁寧に掘り起こすことができた
筆者松尾諭さんの感受性の豊かさに感嘆しますし、
エンターテイメントドラマとして仕立て上げた
脚本・演出・音楽などスタッフの皆さんの
能力の高さに驚嘆しました。
何故にディズニープラス?と最初は思いましたが、
夢と笑いと人間愛に溢れたこの作品が、
ディズニーで世界中に配信されるなんて素敵ですよね。
こんなにもほっこりと心温まる作品を
日本人が作ることができるなんて、
日本人もまだまだ捨てたもんじゃないと励まされます。
キャストの皆さんも豪華で実力者揃い。
主演の仲野大賀さんの演技をこんなにじっくりと
拝見するのは初めてだったのですが、
素朴な人間味あふれる演技が素晴らしく、
松尾諭さんの特徴をとらえた個性的な雰囲気も
コミカルでとても見応えがありました。
社長役の薬師丸ひろ子さんの年齢を感じさせない
可愛さと存在感がこの作品の格を引き上げています。
そしてやはり内容がグッと深まったのは中盤
奥さんになる結さん(伊藤沙莉さん)登場から。
結と元カレとの別れ、プロポーズ直前の諭の激情、
現実は不可解で説明のつかないことも多いと
あらためて身につまされるようなエピソード。
そうそう。こう言う面倒くさいことと向き合うことで
少しづつ大人になっていくっていう感じでしょうか。
こんなに肝っ玉が太くて包容力のある奥さんを
見つけられたことが松尾諭さんの最大の運の強さですね。
伊藤沙莉さんがとても魅力的に演じておられました。
娘の福子を演じた女の子も、こんなにとぼけた感じの
可愛くて上手な子役さんがいるのだとびっくりです。
最後の3話は諭があまり好きではなく
居心地の悪さを感じていた家族と向き合っていく展開。
アメリカに渡って15年も会っていなかった兄武志との再会。
剛君がやはり期待を上回る繊細な演技で、
謎めいた兄とその兄の秘められた思いを
等身大で形作ってくれました。
アメリカ人との違和感がない自然な英語での会話。
麻痺した身体。自然と飛び出す関西弁。
『ロッキー』が好きだった私としては、
武志のふざけた『エイドリアン!』もツボでした。
最近までアメリカで人気のTVドラマ『THIS IS US』を
夢中で見ていたので、剛君がアメリカの女優さんと
別れ話をしているところなんかキュンとしてしまいます。
ショーンに「Love you」と言い、
ショーンから「I love you, daddy!」と言われる武志。
救急車の中で諭と武志が初めて胸襟を開いて
語り合う時の兄弟の言葉が心に滲みました。
兄弟と言っても、このように心通う瞬間は
奇跡のように短いものなのですね。
そしてなんと言っても日本の空港に到着して、
武志が15年ぶりで両親と再会する場面が圧巻でした。
家族で絡む場面はそれほど多くなかったので、
15年ぶりに再会する親子の情愛を
どうやって表現するのだろうと少し不安だったのです。
でも、石野真子さんと風間杜夫さん演じるお母ちゃんと
お父ちゃんが見事に本物で、それに応じる武志の
「ごめん」「ごめん」「ごめんなさい」「ごめんなさい」
があまりにもあまりにも自然で・・・。
親不孝をした思う武志の素直な懺悔の気持ちによって
時を越えて一瞬で家族に戻る家族の絆が見えた瞬間でした。
剛君の演技に何度も惚れ直してきた私ですが、
あの「ごめんなさい」が私の心の琴線に触れ感動しました。
仲良しだった野本さん(片山友希さん)と武志が
アメリカに行く前お店で諭のことを語り合っている
場面もとても自然で印象に残りました。
2人とも早くに逝ってしまったけれど
諭のことを気にかけ愛してくれた大切な人たち。
そういう人がいたことにあらためて気づく諭。
まさに人生は「Lost and found」なのだと身に滲みます。
この喪失感からの存在感を最後の「お兄ちゃん待って!」
で映像化したスタッフキャストの総合力が凄いですね。
仲野大賀さんの表現力、草彅剛さんの空気感、
子ども時代を演じた子役お2人の声が
元気いっぱいで自然で素晴らしかったです。
武庫川駅の切符売り場の前で子ども時代の武志と
大人の諭が見つめ合う場面がドラマチックで印象的。
長い年月すれ違ってきた兄の気持ちに気づく瞬間を、
あんな風にファンタスティックに描くなんて!!!
私はこの『拾われた男』を見終わって、
草彅剛さんへのマネージメントの確かさを
あらためて実感しました。
長年願っていた『蒲田行進曲』つながりの
風間杜夫さんとの共演も叶いましたし🙆♀️
「はっぴょうかい会」の映像を見たいとか
CDを出して欲しいとか正直思いますし、
今からでもいいお知らせはないかと待ってはいますが、
万が一なかったとしても
きっと何か理由があるのだろうと私は思います。
「はっぴょうかい会」に行かれた方の感想を見ると、
剛君のギターも歌もずいぶん上手になっていたとか。
この調子で進化していって、いつの日かギター1本で
ワンマンライブする日が来るのではないでしょうか。
と言いつつも、「はっぴょうかい会3」には
行けたらいいなあと願うばかりの私です。
| ホーム |