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2022-08-25 14:54 |
カテゴリ:未分類
先日20日にようやく映画館に夫と2人で
『サバカン』を見にいくことができました。
子どもが主人公で、小学校高学年の頃の揺れ動く
少年たちの気持ちが丁寧に繊細に描かれていました。
最近このように子どもの気持ちをストレートに
描いた作品がほとんどなかったので、
新鮮で心が洗われるような映画でした。
一緒に観にいった夫が私以上に感銘を受けたようで、
観終わった後、「この映画は全国の小学校で
上映するべきだ」と熱く語っておりました。
「今の子どもは過保護すぎる。
いろいろな体験をして困難にぶつかってこそ
大人になっていくものだ。」と豪語しております。
「うんそうだね。日本の子どもたちみんなに
観てもらいたいね。私たちの子どもの時は
結構無茶なこともやってたしね。
私の両親の田舎は瀬戸内海の島だったから
夏休みは真っ黒になるまで泳いでいたし、
子どもだけで向かいの無人島まで
泳いで渡ろうとしたこともあったしね。
まあ力尽きて途中で引っ返したけど。
山や海で思いっきり遊んだ時間があったから
その後の人生大変でも
乗り越えてこられたのかもしれないね。
うちの孫ちゃんたち都会育ちだから
こんな経験なかなかできないね。
泳ぎも教えなあかんね。本当に大事なことが
いっぱい詰まっている映画やわ。」
剛君は普通の人を演じても自然体で馴染んでるし、
編集者役の「青天を衝け」を思い出す泉澤祐希さん
との共演も、短いながら味わいがありました。
小説が書けない久ちゃんのちょっと歪んだ表情が
子ども時代の久ちゃんの表情に通じるものがあって
お見事。強気に出れない久ちゃんの雰囲気が
よく出ていましたね。
久ちゃんとタケちゃんの少年時代を演じた
番家君と原田君も、初めての演技とは思えないほど
繊細に表情を変化させていました。
タケちゃんはどちらかと言うと表情の少ない少年
でしたが、だからこそサバ缶の握り寿司を久ちゃんに
「食べてえ」とちょっと嬉しそうに差し出した時の
緩んだ表情が、たまらなく良かったです。
映画の題名が「サバカン」だけあって、
あの時のタケちゃんの顔と声の響きは、
本当に国宝ものでした。
心から相手を愛しいと思った時、
少年はあんな顔をし、あんな声を出すのだと
心に強く残りました。
映画の評判はいいですし、
絶賛のツイートもたくさん見かけますので
良かったなあと思います。
ただ私の正直な感想は
私の家庭の過去にまつわる感情があり
ちょっと微妙です。
私の子ども時代は確かに
両親の郷里が瀬戸内海の島だったので、
夏休みに海や山を駆けずり回った経験があります。
ただ、家庭環境は決して明るいものでは
ありませんでした。
どちらかと言えばタケちゃんの気持ちに近いかな。
でもタケちゃん家のような
優しくてきれいなお母さんはいなくて、
私がヤングケアラーにならなくては
いけないほどの不安定な母でした。
言うなれば『ミッドナイトスワン 』の一果に近い。
だから自分のあの頃を思い出すと、正直暗いです。
久ちゃん家のような
お父さんやお母さんではなかったし、
ギュッと抱きしめてももらえなかった。
私にも久ちゃんのような友人ができたら良かったのに。
小学校ではグループに入れない、入りたくなくて、
1人で本ばっかり読んでいたな。
こんな映画を作れる監督はある意味幸せな
小学校時代を過ごされたんだろうな。
懐かしい小学校時代がある人がうらやましいな。
そんななんとも複雑な感慨を抱いて
時間を過ごしていると、ドラマ『拾われた男』
第9話の放送時間になりました。
サトルの「嫌いや。お父ちゃんもお母ちゃんも兄貴も」
お父ちゃんの「アメリカ行くんやったら縁切ったる」
タケシの「そうか。こっちこそせいせいするわ」
「みんな仲ようすればええのに・・・」
うわあ、そうそう!!
このタケシの気持ち。サトルの気持ち。
どちらかと言えば、
私はタケシのあの絞り出したような呟きに
自分の小学生時代を回想してしまいます。
私も神戸(尼崎ではない)の団地っ子だったので、
あの狭い空間で個性の激しい両親姉弟で
暮らしていることが息苦しくてたまりませんでした。
昭和を象徴するような頑固で威圧的な父と、
そんな父に不満を持ちつつ
服従するしかなく心身を病に冒されていく母。
鬱屈した小学生時代。
唯一優しさを感じた母方の祖母。
タケシの優しすぎるゆえに
鬱屈してしまう気持ちが心に滲みすぎて痛い。
弟のサトルはある意味単純な性格だから
屈折した家族が不可解すぎて嫌いだったんだろうな。
タケシがいなくなって15年。
お母ちゃんが「私がまちがっとったんや」と言い、
お父ちゃんが「わしのせいや」と言う。
そう言う気持ちの中思い出す、
唯一親子で心が高揚した瞬間「六甲おろし」。
タイガースのユニフォームと
六甲おろしが奇跡を起こすぞ。
関西人にとってなんと郷愁が呼び起こされ
心が揺さぶられる展開でしょう!
つかみどころがない複雑なタケシの気持ちを
鬼才草彅剛が印象的に表現してくれて感無量です。
麻痺した身体、
日本へのパスポートが届いた時のこみ上げる喜び、
包帯を巻いた頭に斜めに載せたタイガース帽子、
「サトル、俺の代わりに投げてくれや。
何にでもなれるのが俳優さんやろ?」と
親しみを込めて戯けるお兄ちゃん。
全てがなんとも味わい深くて尊い!!!
もうすぐ「草彅剛のはっぴょう会」ですね。
地方の者としてはこの時期の平日は厳しく、
泣く泣く申し込み自体を断念しました。
できればなんらかの形で
見られるようにしていただけるといいのですが。
遠くからですが剛君にとって素晴らしい会になり、
無事に開催されることをお祈りしています。
<<家族や友達の存在のありがたさが深く滲みた『拾われた男』最終回。主人公が居心地の悪かった家族と向き合っていくストーリー展開が秀逸でした! #拾われた男 #仲野大賀 #草彅剛 #伊藤沙莉 #風間杜夫 #石野真子 | ホーム |
ポジティブで明るくてアーティストな草彅剛さんの魅力全開ですね!! #草彅やすとものうさぎとかめ #ワルイコあつまれ #ななにー #拾われた男 #サバカン>>
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