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2021-03-12 17:17 | カテゴリ:ドラマ
BSプレミアムで3月6日に放送された震災関連ドラマ「ペペロンチーノ」。
皆さんがおっしゃっているように
終始微妙な違和感を感じながら見ていたのですが、
ラストで事情が判明し、「そうだったのか」という納得と
大きな感情が沸き起こり涙がポロポロとこぼれ落ちました。
童話のようなお話だと執筆者の方が語ったと耳にしたことを思い出し、
なるほど、
でもなんと切なくて悲しくて愛おしいお話なのだろうと深く感じ入りました。

喪失感、脱力感、虚無感のプールに浮かびながらのどうしようもない気持ち。
たくさん出会いの中で心が救われ、前を向いて歩き出す経緯。
それでも行く手を阻むコロナなどの厳しい現実。
自然は人間たちに容赦無く襲いかかり、そして何もなかったような美しい風景。

昨日3月11日に東北大震災10年目という節目を迎えましたが、
まだまだ多くの人たちが多くの苦難と闘っておられるのだと思い知りました。
また、このようなドラマを通して、
より身近にその思いに触れることができたように思います。

剛君演じる潔さん。ちょっと甘えん坊だけどとっても優しい人。
そういう人ほど傷つきやすくアルコール依存症になりやすいのかな。
國村隼さん演じる佐々木先生に出会ったことで危機一髪救われます。
潔さんの弱々しいみっともなさを剛君が自然体で見事に演じ、
燻銀のような存在感がある佐々木先生とのやりとりが真に迫っていました。
大きな傷を抱えている者同士だから共鳴しあって救われたのかもしれません。
私は母をアルコール依存症で早くに亡くしたので、
自分が母を助けられなかったことに複雑な気持ちにもなりました。
と同時に母は本当に優しい人であったし、
いつも私のそばにいるのだと再確認できたようにも思いました。

矢田亜希子さんの演技を久しぶりに見ましたが、
気丈な女性をこちらも自然体に演じていらっしゃってとても素敵でした。
剛君と矢田さんが共演した『僕の生きる道』という名作の
数々の名シーンが今でもふとした瞬間に蘇るほど印象に残っていますが、
おふたりともあれから多くの年月ご苦労を経てこられたことでしょう。
その年輪が感じられるおふたりの演技に感慨深いものがありました。

剛君の演技はここ3年くらいの間で
ひと作品ごとに大きく更新されているようで驚きの連続です❗️❗️
『バリーターク』で閉じ込められた世界から
外へ飛び出す登場人物を演じましたが、
その後の剛君はまさに道無き道を行く挑戦者開拓者そのもの。
様々な人物(犬にまで)になって、新しい表現を次々と見せてくれています。
そのひとつひとつの経験が血となり肉となり表現の幅もどんどん広がって✨

『ペペロンチーノ』の潔さんの思いが、
ドラマのラストにかけて明らかになっていく時の表情の変化に引き込まれました。
溢れる思いを噛みしめながら
吉田羊さん演じるあかりさんに語りかける時の抑制した表情。
切なくて悲しくてでも限りなく愛おしくて。
深く深く心に染み入る声、眼差し、仕草、涙、微笑み。
剛君の年輪を重ねて更新される柔らかい演技にこころが震えました。

お店の看板を出しに潔さんが外に出るラストシーン。
美しい海を目前にして本物の東北の粉雪が優しく降り注いでいました。
潔さんの背中を見守るあかりさん。雪。そして海。
このドラマのおかげで、日々生かされている自分や
そばにいる家族友人を
もっともっと大切にしなければとしみじみ思いました。
そして今なお多くの困難と闘っている東北の方々を応援したいと
強く思いました。

そのような気持ちにさせてくれたドラマ『ペペロンチーノ』に感謝です。
脚本家、キャスト、スタッフ、このドラマに関わった全ての皆様、
本当にありがとうございました。
皆さんもおっしゃっているように、
NHK総合で再放送され、多くの人に見ていただきたいと願います。


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