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2021-12-29 23:13 |
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12月24日(金)と26日(日)に
『アルトゥロ・ウイの興隆』の京都公演を
無事観劇することができました。
24日は中学校の同級生で中居担の友人が
一緒に観てくれることになりました。
コロナ自粛をしていたので、
2年ぶりに電車に乗り、
JRと地下鉄を乗り継ぎ京都市役所前の
フォーチュンガーデンキョウトで待ち合わせ。
久しぶりの再会とクリスマスらしい店内、
美味しいランチを満喫することができました。
その日の席は1階11列目のど真ん中。
すごい前というわけではないですが、
舞台を目の高さで全体的に観渡せてとても良い席。
途中、マスク姿のウイ様が通路を通って目の前で停止。
ほんのひと時ですが、間近で観られたので、
胸いっぱいの至福の時間になりました。
初演を3回観たのですが、再演は初めて。
全体的にストーリー展開、
セリフの言い回しがテンポよく進み、
舞台展開も様々な趣向が凝らされ変化があって見事。
だれるところなく引き込まれて行きました。
前半はウイが歯牙にもかからないような
チンピラだったということが強調されていて、
役者から立ち振る舞いや演説の手ほどきを受け、
あらゆることに策略を張り巡らせ、
のし上がって行くところが明確になっていました。
ダルフィート夫人からの罵倒を物ともせず、
勢力を拡大して行く舞台の高揚感は圧巻。
そこで放たれる機関銃の非情さと異常さ。
独裁者のスター性に熱狂する大衆の怖さが
劇場内に浮かび上がりました。
音楽とダンスが魅力的すぎて
中毒性があってたちが悪い。
オーサカ=モノレールの華麗な演奏、
ノリノリのジェイムズ・ブラウンと
草彅剛のダンスがリズムを刻み
この上なく心地よくこの上なく素敵。
輝くばかりのスター性があって美し過ぎる。
あれだけ歌って踊って語られたら
その魅惑の沼にハマって忘れられない・・・。
ウイは憎むべき存在なのに抗えない陶酔。
でもウイは極悪で
独裁は地獄でしかないという認識。
演劇を通して
そのような二重の感覚を味わえるという
「異化」体験に大きな満足感が得られました。
と同時に、あれだけのエネルギーを放って
観客にその「異化」体験を味わってもらいたいと願う
草彅剛はじめカンパニーの皆さんの熱量に心から感動。
演劇の持つ社会性に怯むことなく挑む勇者たち。
憎むべきキャラクターになり切っている
演者さんたちが愛おしくて愛おしくて愛おしくて
形容し難い切なさが込み上げて来ました。
中居担の友人はSMAPライブ以来
久しぶりに剛君を見たらしく、
その健在ぶり活躍するぶりに痛く感動したそうです。
「つよポンが元気で良かった!
今でも歌って踊って全力でお芝居していて良かった!
つよポン、命がけで頑張ってるね。感動した!!!」と。
26日の千秋楽は夫が急に仕事になったので、
娘と娘の婚約者と3人で観劇しました。
私は5回目なので台詞は全て理解できましたが、
娘と彼氏は台詞が難しかった💦と言っていました。
さすがブレヒト。何回か繰り返して観たり、
予習をしっかりしないと理解しきれないようです。
でも、剛君はじめカンパニーの皆さんの素晴らしい
演技や舞台演出には圧倒され魅了されたらしく、
「剛君はプロ。プロ根性をみせつけられた!!!」
「くるくる回ってソファーに倒れ込むところ
カッコ良かったですよねー」と興奮していました。
京都千秋楽は3階の1列目でしたが、
4階席まで満席でカーテコールでは総立ち、
万雷の拍手の中4回カーテンコールが行われました。
剛君の深〜い長〜いお辞儀で無事に閉幕。
喉が限界に近かったような剛君でしたが、
それこそ怯むことなく
愛と使命を背負っているかのように、
悪役ウイを全身全霊で演じ切る姿に
心がうち震え余韻が後を引いて忘れられません。
剛君はじめカンパニーのみなさん、
本当にお疲れ様でした!!!
東京公演もこのまま無事に完走できますように
心からお祈りしています。
京都の千秋楽を観て帰りの電車に乗り、
滋賀県を進んでいくと猛烈な大雪になりました。
家の最寄り駅近くはすでに50センチ以上の積雪。
雪をかき分けてなんとか停めていた車に乗り込み
大変な雪道をそろそろと家にたどり着きました。
1日遅かったら京都には行けなかったと思うと、
千秋楽を観られたことの有り難さが増しました。
雪まみれで家にたどり着くとちょうど
最終回の『青天を衝け』が始まったところでした。
1年間、全41回をリアルタイムで観られたことも
感慨深いものがあります。
剛君が1回から最終回まで登場した大河ドラマ。
本当に楽しませていただきました。
本格的時代劇で貴公子から老公までを見事に演じた剛君。
映画『ミッドナイトスワン 』のアカデミー賞を受賞し、
大河ドラマでも多くの視聴者に
草彅剛の抑えた演技の味わいが素晴らしい、
徳川慶喜がとても魅力的だと太鼓判をもらった1年でした。
そして今日、京都千秋楽での剛君の圧巻のパフォーマンス。
今年1年で何度惚れ直したことでしょう!!!
先日、慎吾ちゃんの結婚が発表されました。
私は、推しが幸せならそれでいいと思う方なので、
慎吾ちゃんにも剛君にも
思いっきり幸せになって欲しいです。
そのかわり、来年も何度も惚れ直すくらい活躍してね〜。
明日は大晦日。おせちづくりを頑張って、
新年の元旦はまた雪に降り込められそうなので
「ワルイコあつまれ」「ななにー」を
思い切り楽しむつもりです。
皆様、今年もこのブログを覗きに来てくださって
ありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
2021-12-16 01:11 |
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第39回『青天を衝け』の「栄一と戦争」では
東京に戻った晩年の徳川慶喜公の姿を
たくさん見ることができました。
栄一たちらの尽力により、公爵にもなり、
渋沢家にも度々訪れていたようですが、
まだまだ世間からの厳しい風当たりが残っており、
底知れない憂いを纏った表情をしています。
それでも年老いた尾高惇忠に対し、
「長く生きて国に尽くされ言葉もない。
残され生き続けることが、
どれほど苦であったことか、
私は労う立場にないが、
尊いことと感服している」と
殉死した渋沢平九郎の名前も出して
心からの労いの言葉をかける様子が、
長い年月、国や幕臣たちを
思い続けていたことがわかる上様らしく、
兄いの感極まる様子がとても印象的でした。
栄一が病に倒れ死の淵にあった時には、
「そなただけはどうか尽未来際生きてくれ。
生きてくれたらなんでも話そう。
なんでも話す。
そなたともっと話がしたいのだ。
だから死なないでくれ。」と
熱い気持ちで栄一に懇願しました。
平岡円四郎の使った「尽未来際」という言葉で
栄一に語りかけたのは、慶喜公にとって
円四郎を失ったことの悲しみの大きさと
栄一のかけがえのなさを象徴しています。
慶喜公が見舞った後、実際渋沢栄一は
みるみる回復したというのも史実らしく、
慶喜公と渋沢栄一の絆は
本当に強固なものだったのですね。
栄一が主宰した徳川慶喜公を囲んでの聞き取りでは、
慶喜公の複雑な心境が万感の思いを込めて、
切々と語られました。
慶喜公が入場して来た時の歩き方や猫背の感じが
老人らしくかつ品位があって場が一気に締まりました。
(どことなくタモリさんの歩き方に似ていたので、
高齢のお友達が多い剛君の研究の成果かもしれません。)
「ありがたいが汚名が雪がれることは望まぬ。
事実、私はなすすべもなく逃げたのだ。」と
猪飼さんの言葉を遮って話し始めた慶喜公。
その後の独白は、
「そんな単純なものではないのだ」と
篤二に言ったように、
まさに歴史の狭間で追い詰められた将軍の複雑な境地。
誰がなんと言おうと戦いに突き進んでしまう人間の欲望を
恐怖と絶望と痛みとともに思い出しながら語る慶喜公。
渋みのある低音ボイスで
緩急、間合い、息遣いも細やかに
淀みなく語っていく草彅慶喜。
万感の思いで懺悔の言葉を述べ、
冷静な目で自分に課せられた役割について分析もする。
語り方も、語る内容も、
長い年月をかけて熟慮し
自問自答を重ねてきた所以の感慨。
戦いの火種とならないように
自らが生まれ持った過ぎる輝きを消し、
命を落とした幕臣たちに鎮魂の祈りを捧げた日々。
そして、やはり思う日本国の行末。
平和への希求。
主君の独白を聞いて「自らの役割」に
あらためて思いが至る渋沢栄一。
残りの人生をかけてなすべきことは何であるのか。
尊敬する主君の思いに応えることは何であるのか。
私も人間としてハッとさせられるような
気づきがありました。
それほどまでに慶喜公の語りには
人間の本質を突いた真理が込められていましたから。
それにしても草彅慶喜の語りは重厚感があり、
年輪を感じさせる説得力と品位がありました。
剛君(と呼べないほどに)、場を支配し、
人々の胸に染み入るように語りました。
本当に、いつの間に、あれほどの風格で
こんな語りができるようになったのでしょう。
でも、昔からその片鱗はありましたね。
『僕の生きる道』での「読まなかった本の話」とか。
それにしても草彅剛の語りは
どうしてこんなに沁みるのでしょう・・・。
重厚な語りを何度もリフレインしていると、
高倉健さんや大杉漣さんやタモリさんの
お姿がふっと浮かんだりします。
剛君、尊敬する人生の大先輩たちの姿から
いっぱいいっぱい吸収したことがあるのでしょうね。
大好きな先輩たちから教わったことが
一つ一つこうやって結晶として現れてきますね。
あらためて思っちゃったのです。
草彅剛さんが俳優として背負っている大きな役割を。
やはり貴方からは優しさや平和の匂いがします。
とにかく俳優草彅剛の本領発揮が嬉しいです。
表には出さなくても、剛君が努力と研究を怠らず
お芝居に真摯に向かい合っていることが伝わって来ます。
後2回になってしまった『青天を衝け』も
寂しさを感じつつ、しっかり見届けます!
2021-12-07 15:49 |
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大河ドラマ『青天を衝け』
第38回「栄一の嫡男」で
久しぶりに徳川慶喜公がたくさん出てきました。
60歳前後の頃の慶喜公ですが、
昔ゲッターズ飯田さんの占いで、
生まれながらにして60歳と言われただけあって、
草彅慶喜は、まさにその年齢にぴったりの
風情や趣があって、哀愁漂う老公の佇まいを
違和感なく体現していて
びっくりしてしまいました。
正室の美賀子さんは乳がんを患い、
58歳で亡くなられたそうですが、
慶喜公と美賀君が無言で見つめ合う場面では、
苦難の年月を共に歩んできた夫婦の感慨が
表情だけで表現されて、
大変味わい深いものがありました。
無言で気持ちを滲み出す剛君と
川栄李奈さんの夫婦愛が自然で素敵でした

また、回想部分では30歳前後だった頃の
慶喜公も映り、その若々しさにも驚愕。
1年間のドラマの中で10代から70代までを
見事に演じきる俳優草彅剛の無限の才能に
あらためて感嘆せざるを得ません。
また、ラジオ深夜便の「もっと青天を衝け」
のコーナーで剛君が語ったことですが、
草彅慶喜が初登場した能を舞っていた場面も、
ご本人が猛練習して臨んでいたとのこと。
能面を被り、能の衣装に身を包み、
数秒舞う姿が本格的で見惚れてしまうほど!
第37回で慶喜公が栄一にお茶を振る舞う場面も
茶道を極めた人らしい気品が漂っていて
驚かされました。絵を描いていても、
カメラのレンズを覗いていても、
趣味人らしい風情と教養が滲み出ています。
ユーチューブで快活に話す
天然で脳天気風な草彅剛は微塵もありません。
こんな役も見事にこなせるのですから、
あらゆる作品で草彅剛を見てみたいと
夢は大きく膨らみます。
夏目漱石の「こころ」の先生役なんかも
どうだろうと思わず想像してしまうほどです。
本当に不思議な稀有な人ですね、
草彅剛さんは。
裏であらゆることに努力していても
その努力をひけらかしたり訴えたりしない。
全て笑い話のようにさらっと語って、
悲壮感を出さないところが見事です。
でも、作品を見ていると、
裏で重ねている努力が
結果として現れていますし、
そのレベルの高さが半端ではない。
努力だけでは説明できない
役を吸収して体現できる俳優としての
天賦の才能をお持ちなのだろうと思います。
KAATの芸術監督でいらっしゃる長塚圭史さんと
前芸術監督で『アルトゥロ・ウイの興隆』の
演出である臼井晃さんが、
インスタライブの対談で俳優草彅剛のことを
たっぷり語ってくださっていますね。
吸収力が凄い、何事もどんどん吸収してしまう
「底無しのスポンジみたいな人」と。
役を体に吸収して、どんどん研ぎ澄ます、
かつ(観客に)見せるという術も知っている人と。
2021年の『青天を衝け』
再演『アルトゥロ・ウイの興隆』で、
剛君はさらに俳優として飛躍的に進化したようです。
そんな様子を、1年間を通して、
目撃できていることが幸せでたまりません。
また、ファンで無かった一般の人々にも
剛君の俳優としての魅力が広く
伝わっていくことが何よりも嬉しい。
12月、『青天を衝け』も残すところ3回。
私はいよいよ京都で
『アルトゥロ・ウイの興隆』を観劇します。
26日なんか千秋楽と最終回が
被っているので、どうなってしまうことやら!!
12月の「ななにー」で、
吉沢亮君が来てくれましたが、
剛君が吉沢亮君の努力を心から
リスペクトしている姿に一番感動しました。
隣から亮君のセリフを覚える声が聞こえてきた時、
剛君は心から感動し、刺激を受けたのだと思います。
そんな剛君の様子を想像すると胸が熱くなります。
剛君のそんな謙虚さ、心の綺麗さが大好きです。
私も最終回はシャンパンでお祝いしようかしら。
いや、シャンパンは本当に頑張った
吉沢亮君と草彅剛さんで!!
この12月。剛君のお芝居を堪能しながら
充実した年末を送りたいです。
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