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2021-08-23 00:24 |
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青天を衝け第25回「篤太夫、帰国する」は
天璋院らに口汚く誹られても
家臣たちに無念を晴らすと迫られても
沈黙を貫く慶喜公や、
新政府に逆らったとして処刑された小栗忠順、
幕臣川路聖謨のピストル自殺、
22歳という若さで非業の最期を遂げた平九郎、
幕府の名誉のために最後まで戦う成一郎や
土方歳三などの様子が、伝承という形で
フランスから帰国したばかりの篤太夫に
伝えられるという構成になっていました。
まさに激動の時代、転換期の様子が
立体的に描かれ、
様々な立場の登場人物たちの悲痛な思いや
生死に圧倒され胸が痛くなりました。
特に自分がフランスに行ったがために
見立て養子になり、
命を落とした平九郎のことは、
篤太夫にとって
どれほど深い心の傷になったでしょう。
また、成一郎には「主人もなく、
残された烏合の衆がいくら集まろうとも
勝てるわけがない。こうなっては
生きて会うことは叶わぬだろう。
潔く死を遂げろ。」と告げています。
究極の言葉で「戻ってこい」と
告げているのだと感じられました。
様々なことを伝え聞き慟哭しても、
フランスで大志を得た篤太夫の心は
前を向かざるを得なかったのでしょう。
冷静に自分がなすべきことを探り、
日本のためにどう動くべきかを
見極めようとしている感じで、
ひと回りもふた回りも人間が
大きくなったような気がしました。
剛君の慶喜、やはり見応えがありますね。
ほとんど台詞がなく、佇まいと眼差しだけで
慶喜公の複雑な胸中・無念・覚悟が
伝わってくるようでした。
側近にしかわからない高邁な精神。
自分が汚名を着てでも恭順を貫き
守りたかったものはなんだったのでしょう?
結局主人公渋沢栄一が主君慶喜の謎に迫っていく
という展開で、ドラマを引っ張る構成に
大森美香さんの脚本の妙を感じますね!!!
昨日はWOWOWで『ミッドナイトスワン 』
放送記念として草彅剛映画特集があり、
6作品を一気に観ることができました。
『メッセンジャー』『黄泉がえり』
『ホテルビーナス』『山のあなた徳市の恋』
『中学生円山』と『ミッドナイトスワン 』です。
コロナ自粛の憂鬱を忘れるために
朝から没入して続けて観てみると、
どれも何回も観た作品のはずなのに、
新鮮な感動があり、
とても満たされた気持ちになりました。
一作一作によって剛君の演じるキャラクターの
個性が際立っていて、とても味わい深いのです。
その上、どの登場人物も愛嬌があって
引き込まれ愛おしさを感じてしまう。
人間の繊細なところに触れてくる温かさがある。
作品のジャンルも様々で、飽きのこない面白さ。
剛君の俳優としての豊かさ確かさを再確認でき
満ち足りた気持ちにさせられました。
剛君の表情や肉体表現はなんと多彩なのでしょうか!
田中要次さんとたくさん共演していることとか、
『中学生円山』で池田成志さんが
ワイドジャーナルの司会者だったり、
田口トモロオさんが電気屋さんだったことを
今更ながら気がついたり、
結子さんのことをしみじみ思ったり、
いろいろな共演者の方に対する思いも
たくさん溢れてきて切なくもなりました。
そして今日の慶喜公の身をやつしたお姿にも
切なくなり・・・。
剛君は「演じる喜びは、
観てくれる人の心をつかんで動かすこと」と
「ザテレビジョンgenic」で話していますが、
まさに剛君の作品を見るたびに
心をつかまれ動かされてばかりの私。
そんな豊かな時間をたくさんくれる剛君に
今日も感謝しながら
いろいろな世界に思いを馳せる毎日です。
2021-08-16 17:31 |
カテゴリ:未分類
パリで暮らす渋沢篤太夫たちのところに
書簡で日本の政態御変革(大政奉還)のことが
告げられるました。また、鳥羽伏見の戦いでの
慶喜公の振る舞いについても・・・。
民部公子「兄からの直書だ。
日本は内輪で騒動をしている時節ではないゆえ、
やむを得ずこのようにしたとある。」
篤太夫「まことを申せば、全くもって
解せませぬ。政権を朝廷に返されたのなら
なぜ兵を動かしたのですか?
また、戦(いくさ)のご意志があって
兵を動かしたのなら、なぜ
最後まで戦われなかったのか。
この先臆病暗愚と罵られるとわかりながら、
兵を置き去りにし、江戸に戻られたのは
いかなることでございましょう。
汚名を着せられ、追討軍に追われても、
勇敢な家臣とともに戦わず、
かような有様で
神祖300年の御偉業を自ら捨てられ、
東照大権現様になんと
申し開きをなされるおつもりか。」
成一郎「薩摩・長州・土佐の勢いは盛んで
今や上様はどんな勅命でも
甘んじて受け入れると
上野寛永寺で蟄居なされ、
生きるか死ぬかの瀬戸際だ。
しかし、お前が国を離れて以来、
上様が少しでも尊王の大義に
背いたことはない。
俺は上様の汚名をそそぐため、
旗本御家人の同士で同盟を結んだ。
きっと挽回の時は来る。
俺の願いはそれのみだ。」
パリに居て、少ない情報に苛立ち、
義憤を募らせる渋沢篤太夫たちの気持ちを
描いた第24回でした。
一貫して篤太夫たちのの視点で描かれたので、
感情移入しやすく、篤太夫の義憤にも、
成一郎の手紙を読んでの涙にも胸が熱くなりました。
敬愛する慶喜公のことゆえ、さぞかし
抑えきれない熱い感情が渦巻いたことでしょう。
解せない気持ちに憤りながらも、
無二の親友の手紙の中には
やはり敬愛なる慶喜公がおられるのを感じ、
今、生死の境にあるという主君を思う気持ち、
主君の側におらずどうすることもできない気持ち、
悔し涙を止めどなく流す篤太夫の気持ちに
胸が締め付けられるようでした。
それでも、渋沢篤太夫はフランスの地で
自分が探し求めていたソーシャルキャピタル
「社会的資本」という考え方に邂逅し、
「どうなっても日本のために尽くす」という
大志を抱いて帰国することになります。
このような機会を篤太夫に与えてくれたのは
紛れもなく主君である徳川慶喜公です。
自分をふさわしい場所に遣わせてくれた
主君への感謝と敬愛は
生涯変わることはないでしょう。
大志に目覚めた渋沢篤大夫にとって、
公儀によって派遣された留学生たちの態度は
許しがたいものがありました。
公儀は、風前の灯火の状態でありながら、
日本の将来のために多くの留学生を
外国に遣わせていたのです。
その有り難さを知らないでどうする!!!!!
考え方が違いいろいろ遺恨もあった水戸藩士たち。
でも、水戸藩士たちも一途に健気に武骨に
ひたすら国を思ってきたことに変わりはない。
大志に目覚めた渋沢篤太夫にとって
水戸藩士の一途さも愛おしく思えるようになって。
第24回は主役渋沢栄一が大志に目覚める姿を描いた
素晴らしい回になりましたね。
草彅慶喜の登場がなかったので寂しくはありましたが、
渋沢篤太夫はじめ公儀側の人々に感情移入し、
熱くなれたということでとても見応えがありました。
本当に歴史というものは、どの立場でみるかで
こんなにも見え方が違うのだとしみじみ気づかされます。
次回予告に登場した見をやつした慶喜公のお姿。
その一瞬のお姿、佇まいを見るだけで、
高貴で英邁なお方が、
思いもかけぬ状況に翻弄されながらも、
ただひたすらに国の安寧を願ったという
崇高な精神を感じずにはいられません。
臆病暗愚と罵られようとも、
慶喜公が守りたかったものはなんだったのか。
あの佇まいを体現する剛君の役者魂に
やはり震えるような感動を覚えます。
帰国した渋沢栄一が、この謎に迫り、
慶喜公の汚名を晴らすために
尽力することになるのでしょう。
栄一さんの目を通して描く慶喜公を
丁寧に丁寧に見せていただけるだろうと期待して
第25回以降を楽しみに待ちたいです。
でも第25回はなかなか辛い内容になりそうですね。
時代の変わり目に多くの人の思いが錯綜し、
命を落とした人たちもたくさんおられます。
歴史に学び、
今を大切に生きたいと切実に思うばかりです。
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