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2021-03-21 01:59 | カテゴリ:映画
草彅剛さま、
第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、最優秀作品賞受賞
おめでとうございます❗️❗️心よりお祝い申し上げます

昨日は日本アカデミー賞のレッドカーペットを歩く
剛君の勇姿を見ただけでも胸がいっぱいになりましたのに、
最優秀主演男優賞の発表の時には、
おそらく全国の剛ファンの皆さんと共に、
歓喜の声をあげてしまいました。
剛君の突き抜けた演技に間違いないと思ってはいても、
忖度を感じるテレビやマスコミに失望してきた年月があったので、
不安を拭い去ることができずにいました。
でも、日本アカデミー賞に恐れていたような忖度はありませんでした。
剛君が選ばれた瞬間の場の空気は剛君の受賞を心から称え、
喜んでくださっているようでした。
剛君は自分が選ばれるとは思っていなかったのか、
「いや、あの、まじっすか。
 ごめんなさい。頭が真っ白になってしまって。」
という第一声でスピーチが始まりましたね。
「本当に、今まで、皆さんとお仕事させていただいたこととか、
 仲間の皆さんに応援していただいていることとか、
 そうですね、慎吾ちゃんとか吾郎さんとか、
 本当に近い人たちが支えてくれて、
 今日ここの舞台に立てたんだなと思って嬉しいです。
 僕は代表として、これをもらうということで、
 1人の力では到底たどり着けないところですし、
 映画って、それぞれ作り手の方とか役者の気持ちとか、
 いろんな方向性はあると思うんですけど、
 1人1人の人生がより良く自由に全うできるような、
 そんな作品作りと人との関わりの中で、
 これからも自分の人生を全うしていきたいと思います。
 会ったことがない方でも、遠くから応援してくれている方、
 本当にありがとうございます。
 これからも精進してまいります。
 今日はありがとうございました。」とスピーチしました。
真っ白になったと言っても、
なんと落ち着いた気配りの行き届いた謙虚なスピーチだったでしょうか。

正直私はびっくりしてしまいましたよ。
ここ3年くらいの剛君は様々な面で進化が著しいですが、
この緊張の大舞台で、こんなに落ち着いてこんなに心のこもった
メッセージ性の高い優れたスピーチができるとは。
もう軽々しく「剛君」なんて呼んだらいけないんじゃないかと思うくらい、
魅力的で懐の深い大人になられましたね。
普段は爪を隠して深く考えずぼんやりしているように見せていますが、
本当は様々なことを沈思黙考している愛情深い人なのだと再認識しました。
全力で応援してきた人が、
その能力を正当に評価されたという喜びはもちろんながら、
剛君のスピーチ、振る舞い全てが尊くて誇らしくて
心が洗われるような喜びを感じました。

さらに喜びを倍増しにしてくれたのは、同じ舞台に並んだ
主演男優賞を受賞している佐藤浩一さん、小栗旬さん、菅田将暉さん、
二宮和也さんたちが剛君の受賞を心から讃えてくださっている姿でした。
発表前はちょっと渋い表情を見せていた佐藤浩一さんが、
5人でレッドカーペットを退場する時には、トロフィーを持った剛君に
笑顔で顔をくしゃくしゃにしながら祝福してくださいました。
そんな2人の様子を、小栗旬さん、菅田将暉さん、二宮和也さんが、
思いっきりの笑顔で見守っているというなんとも美しい光景。
素晴らしいですね。5人とも・・・。本当にありがたかったです😭

最優秀主演男優賞受賞だけでも喜びが爆発しましたのに、
正直各賞の流れからしてちょっと諦めかけていた最優秀作品賞で、
まさかの『ミッドナイトスワン 』❗️❗️❗️❗️❗️
私は再び歓喜の声。
剛君も内田英治監督も森谷雄プロデューサーも
服部樹咲さんも狐につままれたような様子でした。それでも
服部樹咲さんの落ち着いた透き通るような美しさが煌めいていました。

残念ながら番組放送内では剛君のスピーチしか流れませんでしたが、
「マジか!?って感じですよね。いいんっすか!?
 どうしようかな、これ。なんか奇跡起こるんだなって思って。」
「そうですね。諦めたりしないで、一歩ずつと言おうか、
 たまには振り返ることも人間誰しもあると思うんですけど、
 またそこから進むと、いいことあるんだなあと思って、
 本当にこの映画を愛していただいてありがとうございました。」
私は「本当にこの映画を愛していただいてありがとうございました。」
で締めくくった剛君に感服しました。

これは本当に愛を知っている人でないと出てこない言葉だと思います。
多くの人々の愛をきちんと受け止めている人でないと出てこないと思います。
立派な賞を受賞した喜びはもとより、剛君のスピーチに感動しました。

20年以上草彅剛さんを応援してきたファンにとって、
2021年3月19日は長年の夢が叶った記念すべき日になりました。
こんなに嬉しいなんてファン冥利に尽きます。
Youtube「ドラシネ」で森谷プロデューサーや内田英治監督の
アカデミー賞裏話を聞いても幸せですし、
Twitterで喜びを分かち合えるツイートを見るのも嬉しいです。
何が嬉しいって、今まで剛君のファンではなかった一般の人たちが
草彅剛さんに興味を持ち、評価してくださっているのがたまらなく嬉しい。
こんな日が来ることを長年待ち望んでいたのですから。

朝起きると、LINEに友人たちからお祝いメールがたくさん。娘からも。
でもいちばん嬉しかったのは東京で働く
(中学生の時、『僕の生きる道』のノベライズ本を自分で買い、
夏の読書感想文をそれで書いた)息子がわざわざ電話をくれたこと。
「草彅君、とったなあ!やったなあ、良かったなあ。
 確かにいい映画やったもんな。」と。
「うん、良かった。嬉しい。」
いつもはちょっと呆れ気味な息子が、
心から「良かったなあ」と言ってくれたことが感激でした。

剛君、内田監督はいつの日か再び剛君と映画を撮る案を
もうすでに誰にも言わず考え始めているそうですよ。

素敵な「人との関わり」の中で剛君らしく人生を全うしてくださいね。
これからも剛君の生み出す作品を楽しみに応援しています

2021-03-02 16:27 | カテゴリ:映画
草彅剛さん、ブルーリボン賞主演男優賞受賞おめでとうございます❗️

2月24日の朝、
何気なくネットを覗いたらこのニュースが駆け巡っていたので、
嬉しくて歓声を上げてしまいました。
期待して待ち構えている時は思うような結果でない時が多いのですが、
吉報はとつぜん舞い降りてくるのだとしみじみ思います。
俳優さんが演技を頑張るのは賞のためではないと思うので、
賞の有無にあまり拘らないようにしようと日頃思っているのですが、
やはり大きな賞をいただくと世間の人々の注目も集まるし、
剛君の演技に関心を持って、作品を見てくださる方も増えると思うので、
本当に喜ばしいことだと思います。
YouTubeで、スタッフキャストファンのみんなへ
感謝の辞を述べる剛君を見て、
あらためて喜びがこみ上げてくるような気持ちになりました。
頑張っている剛君にとっても励みになるし、
次の作品への原動力にもなりますよね。

「ミッドナイトスワン 」の演技は、
演技を超えて心に深く訴えるものがあります。
凪沙さんは正直で可愛くて本当に魅力的な女性でした。
内田監督もツイートしてくださった剛君の
「果てなき優しさ」が表出した作品。
高倉健さんも大杉漣さんも剛君らしさが活かせたこの役を
きっと喜んで見ていてくださっていますね。
頑張った剛君がご褒美をいただけて本当に嬉しいです。
これからも体に気をつけて
いろいろな人間の生き様を私たちに見せてくださいね。

大河ドラマも3回まで終わりましたが、
毎回徳川慶喜の美しいお姿、
複雑な表情に吸い込まれ眼福の極みであります。
裃姿が似合うだろうとは思っていましたが、
慶喜公になり切った剛君の裃姿は
神々しいほどの気品があって見惚れます。
斉昭公に反発する場面では
剛君のドスの効いた良い声が響いて迫力がありました。
「父上の傀儡将軍にはなりたくない」
「嘘は嫌いです」と言って草案を破り捨てるところなど
剛情さも描かれました。
弓を射れば的を射抜く武勇があり、
英邁さを併せ持った賢いお方であったようです。
それほどの才能を持った慶喜公が、
時代に翻弄され、大きな決断を迫られていく。
その時、側で仕えたのが平岡円四郎。渋沢栄一と慶喜公を結ぶキーマン。
来週からいよいよ剛君と堤さんの共演が始まり、
慶喜公の人間味が立体的に描かれていくと思うと期待が高まります。

また震災関連ドラマ『ペペロンチーノ』の放送日
3月6日もいよいよ迫ってきました。
NHKラジオの聞き逃しで宮城の地域番組3月1日放送の「ゴジだっちゃ!」
の中で、剛君直々の番組宣伝や裏話を聞くことができました。
クランクアップ直後に、吉田羊さんと剛君が感極まって泣いてしまったとか。
本当に心を込めて演じたということが伝わってくるエピソードでした。
コロナ禍で見過ごされそうな震災10年を
ドラマを通してみんなでしっかりと共有できたらいいなと思います。

また、11月に『アルトゥロ・ウイの興隆』の再演があるということも発表
されました。政治の腐敗が嘆かれ危機感がますます募ってくる昨今。
考えさせられる問題作に次々に出演してくれる剛君に頭が下がります。
『AERA』3月号でも「終わりと始まりを表現したい』と語った剛君。
作品たちの持つエネルギーが
世の中を少しでも明るい未来へと導いてくれることを願います。

2021-01-27 15:25 | カテゴリ:映画
本日、第44回日本アカデミー賞の各賞が発表され、
「ミッドナイトスワン 」が9部門で優秀賞を受賞することができました。

優秀作品賞   「ミッドナイトスワン 」
優秀監督賞    内田英治
優秀脚本賞    内田英治
優秀主演男優賞  草彅剛
優秀撮影賞    伊藤麻樹
優秀照明賞    井上真吾
優秀美術賞    我妻弘之
優秀録音賞    伊藤裕規
新人俳優賞    服部樹咲

これまでもいろいろな映画賞が発表され、
ノミネートされて受賞に至らなかったことも多く悔しかったのですが、
今回は9部門で優秀賞を受賞することができ、
やっと報われたような気持ちになりました。

「ミッドナイトスワン 」の脚本を書き、
映画制作のために奔走された内田監督が2つ受賞されたので、
監督の情熱がようやく形として認められたようで、
まずはホッといたしました。
また、凪沙と一果をこよなく愛し、
映画をより良いものにするためにご尽力くださったスタッフの方々が
数多く受賞されたのも嬉しい限りです。
渋谷さんが音楽賞を受賞されていないことに納得いきませんが、
毎日映画コンクールでは唯一スタッフで受賞されました。
どういう基準で決めているのかなかなかわからないものですね。

服部樹咲さんはたくさん受賞されているので、
なんと言っても剛君の初受賞がたまらなく嬉しく、
長年のファンとして感慨深いものがあります。
苦節20年以上。演技力が高く評価されながらも、
国内の映画賞とは無縁なところで頑張ってきた剛君が、
ようやく表舞台の映画賞の優秀賞をいただけたのですから・・・。
優秀主演男優賞5人の中に「草彅剛」が入っているということが、
長年剛君の演技力に惚れ込み応援してきた者にとって、
この上なく嬉しく、
やっとここまでこれたのだという喜びが溢れてきます。
剛君の熱烈なファンは多いけれど、
周りの知人たちにはなかなか分かってもらえなかった過去の日々。
そんな日々も今回の受賞で報われるかななんて思ったりもする私。
兎にも角にも、メジャーな賞をいただけると、
より多くの人に剛君の演技を見てもらえるような気がして嬉しいのです。

「ミッドナイトスワン 」は衝撃的な部分もあるけれど、
人間にとってなくてはならない当たり前の「愛」が描かれていて、
深いところで生きる指針を示してくれる素晴らしい作品だと思います。
無理解から生まれる差別感情が渦巻く生きにくい人間界。
母性を抱く健気で可愛い凪沙さんを剛君の人間力と表現力で演じ切りました。
草彅剛の愛ある演技を多くの人に見てもらいたいし、感じてもらいたい。
そして世の中がもっと優しい世界になったらいいなあ・・・。

最優秀を取ってもらいたいけれど、まずは優秀賞がとても嬉しい私です。
日本アカデミー賞をきっかけに、多くの人々に
もっともっと「ミッドナイトスワン」を見ていただきたいし、
今後の草彅剛の演技に注目していただきたいなあと心から願います。

→日本アカデミー賞公式サイト

2020-11-05 17:50 | カテゴリ:映画
娘が久しぶりに家に帰ってきて、よもやま話をしていた時、
「おかあさん、剛君の映画、確かに良かったけど、
 そんなに何回も観て、飽きないのお?」と聞いてきました。

飽きないよのねえ、それが。
観れば観るほど味わい深い。

正直、私はYouTuberの剛君がちょっと苦手です。
あの話し方、テンポ、テンションが私の感覚と何かしら違うので、
しょっちゅう違和感を感じています。
でも、根本的には草彅剛という人を丸ごと応援しているので、
違和感を感じながらも
そんな剛君をちょっと離れたところから見て楽しませてもらっています。
YouTubeを頑張ることで、若い人にも親近感を持ってもらい、
今でも存在感を維持しているので、
YouTubeを頑張ったことは、剛君にとって、
とても重要なことだったんだなと思います。
娘はYouTubeの剛君は素なんじゃないかっていうんですけど・・・。

「素」と言えば、私は「なぎスケ」の剛君が「素」に近いと思っています。
「なぎスケ」の剛君は本当に無駄な力が何も入っていなくて自然体。
年相応の落ち着きも、恥じらいも、ぼんやりさも、色気も、可愛さも
滲み出ている感じ。だから「なぎスケ」は本当に大切な番組。
等身大の剛君に癒されたいと思ったら「なぎスケ」だなあって思います。
seazon2も始まることが決まって、
オープニングも大好きな斉藤和義さんと、大熊さんと一緒に作れて、
番組が続くことになって、ホッとしてます。

11月の「ななにー」はいろいろ物議を醸しましたね。
人狼は参加者の経験値が上がってきて、ますます見応えが出てきました。
相変わらず剛君が騙されやすいところも微笑ましい。
石橋貴明さんを迎えての対決ものは、
久しぶりに変なドキドキ感がありました。
視聴者をドキドキさせるのは大切な要素だと思うし、
キャイーンが久しぶりに
お笑いの人だったんだなあって実感できて面白かったし、
剛君のバラエティーで見せる男気がかっこよかったし、
見応えのあるところもあったのですけど、
正直パワハラやセクハラっぽい演出は見たくないですね。
そんな要素がない方が、私は思いっきり楽しめると思います。
最後のスペシャルライブは、3人がお揃いの衣装でとても素敵でした。
ダンスも一生懸命踊ってくれて、
やっぱりキラキラしている3人は素晴らしいです

それで映画の剛君のことに戻りますが、
『ミッドナイトスワン』を観て、剛君の演技を観て、
あらためて、その演技の繊細さ、リアルさに驚愕してしまいました。
ネタバレになりますが、
「掃除していなかったら、今度こそ追い出すから。」とか、
一果が問題を起こした時、嫌味を言ったり、
赤い雑巾を一果に投げつけるつけるところとか。
コンクールで一果の舞台を見つめる眼差し、
一果と早織が舞台上で抱き合う姿を見て、
去っていく時の瞳の奥の悲しみとか。
広島で早織に「バカ女」と言って挑んでいく姿とか。
再び東京に来た一果に、悲惨な状態を見られた時に恥じらう姿とか。
もう挙げ出したらキリがないほど、全てが、息遣いから、
身体の姿勢、一挙手一投足まで凪沙というリアルな女性にしか見えない。

自分が女性だからでしょうか。
全てが違和感なく、共鳴することができて、わかるわかるってなる。
なんで、草彅さん(突然さん付になりますが)には、
こんなにも凪沙の心情や身体の動きがわかるのおって。
不思議、不思議、不思議・・・・。
『僕の生きる道』で若くして余命宣告をされた若い男性教師を演じた時も、
本当にガンに冒されて苦悩するリアルな人にしか見えなかった事を、
まざまざと思い出します。凄い想像力、凄い理解力、凄い表現力。
だから、剛君の演技は何度見ても飽きないし、味わい深いのですよね。
どうして物語の中に入ると息遣いまで共鳴できる人物へと変身するのか。
その不思議を味わうために剛君のお芝居を追い続けてしまうのですよね。

11月3日に森且行さんがオートレースの日本選手権で優勝されました。
自分の求めた世界でてっぺんを取るという約束を果たした森君。
剛君のお祝いツイートにも、森君へのリスペクトが溢れていました。
森君、本当におめでとうございました❗️❗️❗️
森君が剛君の映画『BALLAD』を殊更に褒めてくれた事を思い出します。
森君と同様に、剛君も表現者としてますます活躍できますように❣️
そしてまた仲間が集まって喜びを分かち合えますようにお祈りしています。

2020-09-30 15:23 | カテゴリ:映画
とうとう『ミッドナイトスワン 』観ました。
いろいろな要素が詰まっていてとても見応えがありましたし、
まさに草彅剛の新境地を観ることができて感慨深かったです。
多くの方がこの映画に感動されて、たくさんの感想を出されていて、
言い尽くされている感じもしますので、
私は私的にとても惹かれたところを順番に書き出していこうと思います。

全体を通して説明なしで状況を伝える演出が巧みだと思いました。

広島の母親との電話で、
女性らしい部屋の中、可愛い部屋着で男言葉で話すアンバランス。

登場とともに一瞬にしてその立ち振る舞いに惹きつけられる凪沙。
赤いハイヒールのカッ、カッという靴音、
前のめりで足早に歩く姿に、
その人の心情や世間に対して武装しているような生活ぶりが伝わり、
その音に鳥肌が立ちました。
初対面で一果に向かって話す時の早口。
ぶっきらぼうな雰囲気と眼差し。
最低限なことを手短に指示する几帳面さ。
うーん、なんかカッコいいなこのお姉さん。
草彅剛はどこにもなく、一瞬のうちに観客を物語に引き込む力が凄い。

ホルモン注射の副作用で体調が悪くなり、
部屋に駆け込み薬を飲むシーンの「吐きそう」の言い方が・・・。
あの動きとセリフのテンポがリアルでたまらなかったです。
一果がそんな凪沙の苦悩をジイッと見つめている瞳がまたいいんです。
化粧と涙でぐちゃぐちゃになった顔で、窓からのネオンを背景に
タバコを燻らせながら色鮮やかな金魚の水槽を眺めている凪沙。
孤独と哀愁に満ち満ちていて、うーん、美しい絵画を見ているよう。

私はこの映画の素晴らしさは、
やはりこの主人公の凪沙が魅力的だということが肝だと思います。
男性女性に関わらず、
感情移入できるのはその人物がリアルで魅力があるから。
私はこの凪沙がトランスジェンダーとして生きづらさを抱えていても、
節操を保ち
(部屋の掃除にこだわったり、レシピを持っていることも含めて)、
自分らしく生きるために努力し、
他人に依存しすぎることをよしとせず、しかしながら
他人への思いやりをきちんと持っている人であることに感動しました。
こんな人が側にいたら、是非ともお友達になりたい。
綺麗なものに憧れる女性らしさにも共感するし、
一緒に語り合いたいくらい。

皆さん、凪沙と一果の二人のシーンが好きな方が多いですね。
うちの夫にどのシーンが一番好き?と聞いたら
最後の海の場面と言っていました。
私はどこか一つを挙げろと言われたら、
なんと広島での凪沙と早織の対決シーン。
あの時の凪沙の姿は、決して見た目は美しくないかもしれないけれど、
決死の覚悟で一果を幸せにしたいという思いに溢れていました。
早織の前で抱き合う凪沙と一果。
愛し合う二人を見せつけられ激昂する早織。
この時の苦々しい気持ちを水川あさみさんが表現していて素晴らしかったな。

私は自分の母親が育児放棄をするアルコール依存症だったので、
(突然のカミングアウト💦)一果の状況がよくわかりました。
でも私の母親は私に暴力は振るわなかったので、
一果くらいの年齢から自分で家事をし、
お酒を隠したり、親の面倒を見たりしながら生活していました。
結局母はお酒で体を壊し、48歳で亡くなってしまったので、
いくら立ち直って欲しいと願っても、
ああゆう親が簡単には立ち直らないことを知っています。
私の場合自暴自棄になりそうな私を救ってくれたのは高校の担任の先生でした。

だから、凪沙が親戚の前に出て恥かしめを受けても、
一果を守りたいと思ったあの決死の行動に心から感動しました。
普通なら立ち直ることが難しいであろう早織を、
真実の母の愛を見せ付けることで変化させた。
この映画はリアルを描きつつ、
ある意味御伽話のような夢を描いている映画でもありますね。
いや、凪沙の愛が岩をも動かすほどのエネルギーがあったからこその奇跡。
私はあのシーンが本当に苦しんでいる子どもに
希望を与える場面だと思っています。

でも、決死の覚悟で臨んでも
「母になりたかった」凪沙の願いはあの場面では打ちのめされました。
一果を取り戻せなかった。自分の母の嘆きを目の当たりにした。
私はこの精神的ショックが、
手術の予後を悪化させたと思ったのです。
人間は失恋したり、愛するものと引き離されたら免役力が落ちますから。

でも一果の心には凪沙の真実の愛がきちんと届いていました。
実花先生の献身的な指導のおかげでバレエを続けることができました。
早織も母親らしくなろうと努力しました。
そして中学を卒業した後、良い報告を持って訪ねてきてくれました。
凪沙は絶望から幸福感へと一気に導かれました。結末はともあれ・・・。
世の中を変えるのは月並みですがやはり愛しかないのだと涙が流れました。

124分しか時間がなかったのがとても残念に思われるくらい、
全ての登場人物に興味を惹かれました。
キャストのみなさんが魅力的で、
それぞれのサイドストーリーを知りたいと思うくらいだったことも
この映画に厚みを与えていると思いました。

そして渋谷慶一郎さんの音楽と服部樹咲さんのバレエのなんと美しいこと。
一果が海に向かっていく時のメインテーマのピアノの音が体に染み込みました。
最後の白鳥の湖を堂々と踊る一果のバレエと音楽は希望そのもの。
あの美しさは劇場の大画面でこそ味わうべき芸術の醍醐味だと思います。

私は土日に3回見ましたが、土曜日のレイトショーを夫と見た時、
この映画はミッドナイトに見るとやっぱり感動が倍増するなと感じました。
真夜中のお姫様たち。はかない夢や願い。とにかく愛おしく美しい。
レイトショーからの帰りの車の中、
やはり他の県でレイトショーを見た娘が電話をくれました。
「良かったよ。凄い良かった。」あとは言葉にならないようでした。

昨日火曜日、
東京で働く息子も貴重な休みを使って映画を観てくれたそうです。
夜、わざわざ電話がかかってきて、熱く感動を語ってくれました。
まずは主演の2人の演技がもの凄い良かったと絶賛。
剛君は凪沙にしか見えなかったし、
服部さんは初々しい演技があの役にハマっていてこの上なく良かったと。
そして観客を引き込むストーリーを作った監督を称えていました。
凪沙の結末については息子の職業柄、貧困と医療の実態について
なかなかリアルな現実を描いているとも言っていました。
美しいだけではない問題提起がされている作品だと思ったそうです。
映画を観て、息子とこんなに語り合ったのは本当に久しぶりです。

感動と、気づきと、考える機会を与えてくれた『ミッドナイトスワン 』
たくさんの人に見ていただきたい作品ですね。