2017-03-10 18:49 | カテゴリ:ドラマ
昔のオフコースに『言葉にできない』という歌がありましたが、
「言葉にできない」なんて歌詞を書く人が言っていいの?などと
思ったこともありました。でも、最近の全身全霊で演技に集中し、
お芝居以外ではどんな人にもただただ爽やかな笑顔を見せる
剛君を見ていると、「言葉にできない」という気持ちが
本当にあるのだなあと実感してしまいます。
「あなたに会えて本当に良かった。
 嬉しくて嬉しくて言葉にできない。」

「医学生の、これがお父さんで、こっちが僕。
 僕、気が弱くてさ、テスト前になるとお腹こわしちゃって、
 お父さんがおかゆを作ってくれて。」
この若かりし医学生2人の写真を見ている時の浩一の顔は
このドラマではほとんど見せてこなかった浩一の顔。
いや、陽一の顔。父と恩人である三瓶守の友情を見つめている顔。
「僕が医者になれたのはお父さんのおかげかもしれないね。
 なのに僕は。本当は許せないよね、僕のこと。
 僕も僕のことを許せないでいる。この30年間ずっと。」

剛君の演技で特に素晴らしいのは目の演技だと言われていますが、
写真を見つめている目だけで、心が動いているのがわかりました。
復讐心を秘めていた目が、父の友情を前にして人間らしい光に変わる。
心の動きや有り様を瞳だけでしっかりと表現する剛君の表情は
観ている側の心も動かし、心の琴線に触れる、
人間としての善なるものに触れるような気持ちにさせてくれるのです。

第9話で私が一番好きなのは、
三瓶守を辱めることを思いとどまった瞬間の草彅剛の演技。
ここも台詞の無い一人芝居でしたが、
表情と身体全体で人間らしさを取り戻し復讐心に自らストップをかけた
心の葛藤が見事に表現され(妄想シーンを入れた演出も素晴らしく)
ロビーを立ち去る浩一の後ろ姿が清々しく強い感動を覚えました。

浩一に気づいて追いかけて来た守とホテルの外で向き合うシーン。
守 「怖くて。」
浩一「でも、いてくれた。誕生日に俺のそばに。
   クリスマスも正月も。」
  「さっき知ったんだけど、
   僕と由美子さん誕生日同じなんです。
   僕も3月15日生まれ。
   家族全員亡くして、ひとりぼっちで、
   養護施設で誰とも馴染めなかった僕の誕生日を
   守さんが祝ってくれた。」
  「あなたちを巻き込みたくなかったんだと思います。
   俺の家族殺されたんで。 
   長い間、お父さんをお借りしてすみませんでした。」
  「もう、俺、大丈夫なんで。」
三瓶守が黒か白かと視聴者の間ではいろいろ憶測が飛び交いましたが、
視聴者の予想をはるかに上回る脚本にただただ脱帽で感動的でした。

「父と守の友情が滲み出ていた写真」
「2つの家族の幼い子どもたちの真ん中で優しく微笑む父の写真」
そして真実を言えず陽一を嘘つきにした自分を30年間責め続け、
自分の家族と離れ医師を辞めて陽一のそばにいてくれた三瓶守。

人は何によって癒されるのか、
何によって救われるのかを思い知らされました。

このシーンでは浩一が憑き物が落ちたように一瞬
陽一にもどったようにも感じられ、温かい気持ちに心が洗われました。
草彅剛は人間の心を掘り下げて、その心の機微を繊細に表現出来る
稀有な表現者であるとあらためて思いましたし、
その表現が歳を重ねてますます進化していることに心が震えます。

それに比較しても二科家の方は「懺悔」どころか逆行しています。
そんな家族にどう落とし前つけてくれるのだ!!という感じですね。

唯一の救いは楓が
「許してあげて。9歳の陽一君だけは。
 父と兄を許してほしいなんて言わない。
 自分のことは許してあげて。」と浩一に伝えにきたこと。

この楓の言葉を聞いている浩一の顔も一瞬陽一の顔に見えたから凄い。
浩一は、やはり自分の人間らしい部分に触れてくる言葉には反応している。
この時の楓の言葉が、三瓶守の優しさに気づく扉を開いたとも感じました。
でも、最後、浩一が晃のことを聞いた時、
晃が浩一を逮捕させようとしていることは言わなかった楓。
詐欺師の浩一は捕まっても仕方がないと楓の正義感が思うのか。
やはり自分の兄達は守りたいと思うのか。
このあたりははっきりしないので、
最終回を待つしかありません。

詐欺師仲間の百田とカズキの動きが物語を大きく動かしていますし、
六車との決着もついていません。そして、最大の浩一の望み、
二科興三に「懺悔」させたいという思いが届くか。
視聴者の予想を超えてくる脚本ですので、
どう超えて来てくれるか楽しみです。

最後、警察に追われて逃げるアクションシーン。
『任侠ヘルパー』を彷彿とさせるめちゃくちゃカッコいいラストシーンでした。
草彅剛はアクションが素晴らしいこともきっちり見せて下さるスタッフさんに感謝。

逃げて行く浩一を心配そうに泣きそうに見ているハルカの顔が可愛かったです。
「VS嵐」に番宣に出た希子ちゃんと美月ちゃんの仲直りダンスも可愛かったし、
番組の最後に「草彅さんがいたら勝てましたよ〜!」って言った美月ちゃんが大好き。
風磨君が『Wink up』で剛君のことを「太陽のような人!めちゃくちゃ格好いい!」
と言ってくれたのも嬉しい。若い人たちに尊敬され憧れられる剛君で嬉しいです。

とにもかくにも三宅喜重監督を筆頭に役者草彅剛を心から愛してくださる
スタッフキャストの皆さんにただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
とうとう最終回を残すだけとなってしまいましたが、
多くの人の熱い思いが結集した『嘘の戦争』は多くの視聴者の心を掴み、
ドラマの面白さを思い起こさせてくれる作品として注目を集めています。

WBCやホワイトデーと重なるという最終回になるようですが、
録画して何回も楽しむ方も多いようでね。私も第9話5回観ましたし・・・。

それでも最終回。ひとりでも多くの人に草彅剛の涙と思いを感じて欲しいです。
初めて草彅剛の演技を観て、心を掴まれたという方の感想をよく聞きます。
記録以上に記憶に残る俳優としてこれからも活躍してくれることを祈ります

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