2015-02-11 13:52 | カテゴリ:ドラマ
第6話見終わった時、主人と2人でうーんとため息。
このため息は面白くなかったとかいうため息ではなく、
この1話だけではスカッとできるところがなかったという感じ。
「まあ、続きを見ろ、っていうことだな。」という主人の感想。
でも1週間このもやもやを抱えて過ごすのはなかなかきついのですね(笑)。

銭の戦争に出てくる登場人物は
アンバランスな現代人の象徴のような人ばかり。
白石富生。町工場を営む両親のもとに育ちながらも
賢くて東大出の証券マンへ。
エリートコースを進んで、証券マンとして億単位の金を動かしているうちに、
実家の親や工場の価値に無関心になり遠ざかっていった男。
父親の突然の自殺と借金によって全てを失い、どん底の辛酸を舐めたことで、
借金に苦しむ人間たちを助けようと思ったり、工場の従業員たちと和解したり、
失敗した弟への優しさを見せたりできるように変化していく。
しかし青池ファイナンスという怪物企業の前では、
実家の町工場を守る力もなく、なす術もない。
元婚約者の梢に「(すべてに気付くのが)遅いのよ。」と言い放たれ
さらに打ち砕かれるプライド。川に自分の顔を映して自問自答する富生。

富生「奪い取んだよ。あいつが貯め込んだ命より大事なものを、
   大事なものを全部奪い取ってやる。」
  「知るかあ、親父が何を望むかなんて。
   生きてる時だってろくに話をしたことなんかなかったんだ。
   親父が死んだ場所に行って来た。寒くてさみしい場所だった。
   親父をあんな場所に行かせたのは赤松だ。」
未央「だからって恨んでもしょうがないじゃない!
   やめなよ!もう恨みなんか忘れて」
富生「忘れろ?恨みを支えに立ってる人間もいる。ちょっとでも下見たら
   奈落に落っこちるから怒りを支えに前だけを見てる。
   そういう人間もいるんだ。」
未央「他にないの?支えになってくれるもの、他に?」
富生「あるとすれば1つだけ。金だあ〜。
  「金でできた恨みは、きっちり金ではらす。」
予告では「怪物と闘うためには怪物になるしかない。」とも言っています。
甘さの全くない感情。梢にまで自分の弱点(プライドの高さ)を突きつけられた
富生の思考は袋小路に追い込まれ、もう何も受け入れられない復讐の世界へ。

でも予告で久しぶりに登場する紺野先生が本質的なことをつぶやいていましたね。「人のものを力づくで奪った時からすさんでしまうんだよ。」

青池梢もアンバランスなお嬢様。
怪物である祖母に育てながらも優しさや愛情を持っていた美しかった女性。
しかし愛していたはずの富生に男のプライドとやらで拒絶され、
そこに未央という小娘への嫉妬もからんできて愛が憎しみへと変わり、
暴挙に走って行く。祖母と同じ怪物へと化して行く。
お嬢様育ちでなかったら、
富生にもまだ違うアプローチがあったようにも思いますが、
そこが育ちというもので、本当はまだ愛しているであろう富生を
無情な方法で力でねじふせていこうとする。涙を見せない強い女。
梢がすさんでいった先に、涙を見せることがあるのでしょうか。
富生とともにすさんだ先に、2人に本当の愛が生まれる日はくるのでしょうか。

未央はどうも富生を好きになり始めているらしい話の展開でした。
まあこれまでの流れをみると「惚れてまうやろ〜」ですが
でも私は借金を全部肩代わりしてもらって、ご飯だけ作る女性が
いろいろと説教めいたことを富生に言うのを聞くとなんだかイライラします。
「たかが居候先の他人が何言ってんの。同じ屋根の下で寝起きしていてても
 俺と君たちでは見てる世界が違う。余計な口はさまないでくれる?」
人が良いだけで負け犬になり、自分では血のにじむような苦労もせず、
結局は人に助けてもらって、きれいごとは1人前に言う。
帰って来なかった富生のことを、本気で心配して、
未央の父親譲りのみそ汁の味は富生の母親の味に似ているという。
優しくて人の良い人たち。
癒されるけれどそれだけでは生きていけない現代社会。

唯一ほろっとした瞬間は世間知らずの弟光太郎が
「ごめん、俺、金のこと全部兄貴に任せて
 わかったようなことばっかり言って、ごめん。」と言った時の一筋の涙。
そして赤松が紅谷さんに立ち上がって最後に言った言葉。
「紅谷さん、おれはさ、取り憑かれてなんかいないよ。
 俺が金に取り憑いてんの。支配するのは俺!」と言った時の泣き笑い。
赤松の目に涙がにじんでいたのは確か。
紅谷さんが富生と赤松が良く似た境遇であることを匂わしていましたが、
そんな赤松の目に涙が浮かんでいて、赤松の寂しさが滲んでいました。
このシーンの渡部さんの演技は本当に素晴らしかったです。

結局みんながみんなこの不条理な現代社会、格差社会で
矛盾だらけに生きているということを
あらためて見せつけられたような第6話。
誰にも共感できて誰にも共感できないもやもやが現実というものでしょうか。
悲しさや切なさややりきれなさが強く印象に残った
剛君の狂気を感じる横顔が重い。
現代社会の縮図のようなこのドラマに救いはあるのでしょうか。
今回は「華麗なる逆襲」がしっかりとドラマの中で流れましたが
「本当の敵はだれだっけ」の歌詞の答えは格差社会そのもののように思うし、
剛君が雑誌で答えているように
それぞれが結局「自分自身」なのかもしれません・・・

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